前回書いたCB750Four K0のユーザー車検を代行した時の話の続きを書いていきます。
出だしからつまずく
ユーザー車検を受けるにはまず、インターネットで予約して日時を決めます。
そして予約した日時の検査ラインの時間に間に合うように書類などの手続きをするのですが、何と、バイクを無事に運輸支局の駐車場まで運んだは良いものの、車検証の本紙がなかったのです。
実は、バイクのオーナーさんから事前に書類一式(車検証、自賠責、)を受け取っていたのですが、何とその全てがコピーだったのです。
※納税証明書は本紙でした
車検を受けるには車検証の本紙が必要なので、車検証の再交付手続きを行います。
そして車検証の再交付を申請書を記載するのですが、細かく
・ 紛失した経緯(理由)
・ 紛失したと思われる時期と場所
・ 紛失したと気付いた状況等
を詳しく手書きで書類に記載しなければなりません。
※ オーナーさんに電話で確認したところ、以前車検を取得した直後に自宅内で紛失してしまったとのことでした。
前記した紛失した理由などを書類に記載し、再交付手数料として350円を支払い再交付手続きが完了となります。
今回、運輸支局へは少し時間に余裕を持って行っていたので、車両の検査開始時間には間に合いました。
いざ検査ラインへ
無事に書類の再交付も終わり、今回予約した2ラウンド目の車検ラインに並びました。
そしてラインに並ぶ前にも車両の入念なチェックを行い、異常がないことを確認した上で検査の開始を待ちました。
そしていざ検査が始まり、車両の灯火類やホーンの確認、車両の全体的な目視など、検査員の方が目を光らせながら各項目をチェックしていきます。
順調に検査をパスし、「そろそろ最初の検査は終わりかな‥」と心の中でつぶやき、気を緩めた瞬間、検査員の方から
「ハンドルロックお願いします」
と言われました。
※車検のあるバイクでは、駐車時などに使用するハンドルロック(ハンドルを固定し、バイクを移動できなくする機構)を確認されるのです。
私は、オーナーさんからハンドルロックの位置について確認済み(古いバイクだったので特殊な場所に付いている)だったので、余裕の笑みでハンドルロックを掛けようとしたのですが、何度鍵を差し込みハンドルロックのシリンダーを回転させてもハンドルが固定されないのです。
何度もキーを抜き差ししたり、ハンドルの角度を変えたりと試したのですが、一向にハンドルロックが掛かる気配がありません。
かれこれ5分以上は格闘してたと思いますし、私の後ろにも順番まちの車両が沢山いるので、気持ちだけ焦ってしまいます。
あきらめ
結局、ハンドルロックを掛けることはできず、この検査については不適合のまま通過することにしました。
そして、その後の検査はヘッドライトの光軸ズレ(想定内)以外は全て一発O.Kでした。
私はまさか、ハンドルロックの不良が起こるなんて想像もしてなかったので頭を抱えてしまいました。
と、いうのもハンドルロックの部品がその辺のお店に売っている訳もなく、すぐに対応出来る内容でないことは明らかでした。
意外と簡単そうで一番難しい箇所が検査不適となってしまったのです。
ちなみに古いバイク(昭和44年まで)であればハンドルロックがなくても良いらしいのですが、今回車検を受けたバイクの年式は昭和45年式だったのでハンドルロックが付いてないとギリギリ車検がアウトな年式でした…
一か八か
何とかこの日のうちに車検を終わらせるべく、ネットを駆使してハンドルロックの車検対策について調べて、普段使わない脳みそをフル稼働させ、何とか対策を考えました。
ネットを調べると車両を加工したり、フレームに自作のハンドルロックをつけるべく、南京錠のシリンダー部を溶接したりなど大加工をしている内容は出てきたのですが、簡易的に対策されている方の内容は中々出てきませんでした。
そして、辿りついた対応策がこちらになります。
自転車用ワイヤーロック
ネットでかき集めた情報から以下の要点を押さえれば何とかなると判断しました。
・ キー本体(シリンダー部)が車両に確実に固定されていること
・ ハンドルにワイヤーを巻き付けて、キーにより固定しても問題ない
ということです。
実際に写真を撮る余裕などなかったので、絵に描いてます
※ 下手くそですみません、一応バイクの図です。
これで車検は通りました。
簡単に説明すると、ワイヤー錠のシリンダー部本体をねじ止めで固定できるものを購入し、シート下に錠のシリンダー部を固定設置し、ワイヤーをバイクのハンドルに巻き付けてハンドルが動かないようにしただけです。
ワイヤー錠はホームセンターで購入した2,800円の自転車用のものです。
ホームセンターが近くにあって本当に良かったです。
※ 図面でワイヤー鍵と記載してるのですが、ワイヤー錠、ワイヤー鍵、どちらの表現でも意味は通じるみたいですが、ワイヤー錠という記載が一般的に正しいみたいです。
地域により異なる
私の居住する運輸支局ではこの方法で車検に受かりましたが、県や検査官により見解が異なる場合があるので、今回紹介した方法で車検に受かる確証はありません。
そして、今回は受かったかもしれませんが、次に車検を受けるときにはNGとなっている可能性もあるのであくまで、応急的な措置方法として参考にしていただければと思います。
最後に
様々なハプニングがありましたが、ワイヤー錠などの購入代金を含めても
車検代 約1万9,000円
に収めることが出来ました。
昭和45年のバイクにしては上出来です。
※ オーナーさんの日頃のメンテナンスの賜物ですね
古いバイクでもきちんと手入れをすればユーザー車検でお安く車検を受けることが出来きます。
今回の内容が少しでもバイクのユーザー車検を受けようと思っている方の参考になれば幸いです。
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