バイクの転倒について考える

バイク

以前バイク用エアバッグを使った実験を行ったのですが、実際にバイクを転倒、エアバッグを作動させた時に感じたことについて書いていきます。

エアバックの普及

そもそも、今回エアバッグを装着し実際にバイクを転倒させ、作動させた実験を行ったのか?
私と付き合いのある、バイクのレース活動をされている方がバイクのエアバッグの普及に力を入れていることを聞いたのがそもそもの始まりでした。
その方は、自らレースに出る傍らレースを主催するなど、個人で精力的な活動を行っているのですが、大きなバイクのレースではエアバッグが普及してきているにも関わらず、小さな大会等ではまだまだ装着率が低く、レースのレギュレーションでもあくまで任意装着となっていることをなげいていました。
そして、バイクのレース等について安全の確保は重要性から一般のバイクユーザーからレースに参加するユーザーまで幅広い層にエアバックを浸透させたいと考えていたのです。
しかし、なかなかエアバックの重要性などをアピールする活動が出来ないということで、今回、私がバイクを使って実演することになったのです

使用車両は教習車

以前、私のブログにも何度か登場した教習所からの払い下げ車両であるCB400SFKを使用しました。
バイクを転倒させてエアバッグを作動させるとなると、実演者の安全の確保のために大型のバンパーが必要となるので、このバイクを使用することにしました。
転倒の際はバイクと体を引き離さなくてはいけないので、バイクの破損防止のためにも大型バンパーが装備された教習バイクが必須となるのです。

実験方法

実際にバイクを転倒させる方法はいくつかあるのですが、今回は極端にバイクを傾斜させ、グリップを失わせた上、バイクの速度をあげスリップさせる方法を取りました。
この方法が一番安全にバイクを転倒させることができ、尚且つわかり易くバイクの転倒までの挙動や人の動きなどが観察できるからです。
他にも、握りゴケや、ハイサイドなどと呼ばれる転倒もあるのですが、どちらも危険である上、実際そのような転倒方法は怪我のリスクも高く、バイクも大きく破損させる可能性が大きいため、今回は定常円からのスリップによる転倒としました。

エアバッグの作動の仕組み

エアバッグは名前の通り、空気(ガス)の力により、ジャケットを膨らませます。
ジャケット(ベスト)に内臓されたガスボンベを強い力により作動用のハーネス(紐)を引っ張ることにより、タンク内からガスが噴出され、ジャケット(ベスト)をガスの力により膨らますことができるのです。
バイクとエアバッグを装着をハーネス(紐)で結束して、転倒した際にバイクがハーネス(紐)を引っ張る仕組みとなっているのです。
ガスの力は凄まじく、エアバッグが膨らむまでの時間は約0.1〜0.2秒とされています。
なので正しくエアバックが装着されていれば、体が地面に叩き付けられる前にエアバッグが体を保護してくれるのです。

白バイも採用

日本の警察でも採用されており、全国の白バイ隊員がエアバッグを装着して勤務しています。
日本の警察で採用されているということは、その安全性や効果が大きく信頼できるものであることを証明していると思います。
白バイにエアバッグが採用されたのはここ数年の出来事ですが、普及が始まってからはあっという間に広まり、定着しました。
白バイ隊員に対する安全意識が高まる中で重要な装備であることは間違いありません。


実験の結果

実際に転倒した結果、きちんと膨らみ体を衝撃から守ってくれました。
今回、私が装着したエアバッグはベスト型のものだったので、膨らんで体を保護してくれる部位は首、肩、胸、背中、腹部、となりました。
首は特に保護されており、頭が揺れないように確実に固定してくれました。
その力は相当なもので、大の大人が力を入れてもびくともしません。
圧迫されて少し苦しいくらい、ガッチリと体をホールドしてくれました。
実際の事故でも体を守ってくれる性能を実感することができました。

過信は禁物

ここまでエアバッグの良いところだけ書いてきましたが、エアバッグも万能ではありません。
エアバッグが保護してくれるのは上半身のみで、しかも上半身の全てを覆っている訳ではないので、一部露出している部分などがあることも忘れてはいけません。
そして、今回の実験でも反省するところがあったのですが、エアバッグの作動ハーネスを少し長くセットしてしまい、エアバッグの作動が少し遅れてしまったのです。
エアバックは作動して体を保護してくれましたが、本来であればもっと早く作動するのが良いと感じました。
下半身も守るにはエアバッグの他にプロテクターやバイク用のズボンの装着も必須となってきます。


最後に

今回、エアバッグは私の体を確実に守ってくれました。
しかし、エアバッグだけでは安全装備が十分ではないこともわかりました。
まずは事故に遭わないのが一番ですが、万が一のことを考え、エアバッグの装着を考えてみてはいかがでしょうか?
価格の高い装備であることに間違いありませんが、命とエアバック代を天秤にかけたならそう高くはない保険とも言えるかもしれません。


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